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実家売却のタイミングは介護施設入所後が良い?メリットデメリットや注意点も解説

実家売却

親御様が介護施設へ入所なさった後、「実家の売却を検討すべきか」「そのまま維持すべきか」と悩まれる方は多くいらっしゃいます。実家の売却には、生活資金の確保や管理負担の軽減など多くの利点がある一方で、手放すことへの迷いや税金など、見落としがちなデメリットも存在します。本記事では、実家を売却する場合・しない場合それぞれの長所と短所、注意すべき点、判断に迷った際の進め方について分かりやすく解説いたします。今後の選択に役立つ具体的な知識をお届けしますので、ぜひご参考になさってください。

親が介護施設に入所した後、実家を売却することのメリットとデメリット

親御さまが介護施設に入られ、実家が空き家となった場合、その家を売却するか否かは大きな判断の一つです。ここでは売却のメリットとデメリットを、信頼できる情報に基づきわかりやすく解説いたします。

まず、売却することの大きなメリットには、以下のような点があります。介護施設の利用にはまとまった費用が必要となるだけでなく、継続的な医療費もかかります。そのため、実家を売却して得られる資金は、介護や医療の負担軽減に直結いたします。加えて、実家が空き家になると固定資産税や維持管理費が発生しますが、売却すればこれらの負担から解放されます。さらに、不動産を現金化することで相続時に不動産を巡るトラブルを避け、遺産分割がスムーズになるという点も大きな魅力です。これらは多数の信頼できる情報源に基づく事実です。

一方で、売却には以下のような注意点もございます。まず、親御さまが売却に同意されていない場合、子どもだけで手続きが進められず、成年後見制度の利用などが必要となり、手続きや期間が煩雑になりがちです。また、譲渡所得が発生した場合は税金の負担が生じますが、一定の要件を満たす「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用できる可能性もございます。ただし、この特例は空き家状態が長期化すると対象外となるため、売却のタイミングには注意が必要です。

以下に、メリットとデメリットを簡潔に整理した表を示します。

項目 メリット デメリット
資金面 介護・医療費を捻出できる 譲渡所得が発生し税負担となる可能性
維持管理 固定資産税や管理負担が不要に 親の同意が得られないと手続き困難
相続対策 相続時に現金化しておけるため分割が楽 空き家期間が長いと特例が使えなくなる

このように、実家の売却には資金確保、管理負担の軽減、相続円滑化といった魅力がある一方で、親御さまの同意や税制適用期限といった点にも留意すべきことがございます。したがって、感情面や将来の住まいのあり方もあわせて慎重にご検討されることをおすすめいたします。

実家を売らずに維持・管理する選択肢とその長所・短所

親御さまが介護施設に入所されたあと、実家を残しておく選択肢にはさまざまなメリットと注意点があります。以下の三つの選択肢について、表を交えてわかりやすくご紹介いたします。

選択肢 長所 短所・注意点
空き家のまま所有 いつでも使える状態を保てる 老朽化が進みやすく、特定空き家に指定される危険がある。また防犯リスクや固定資産税の負担が増える可能性がある(特に住宅用地の特例対象外になる場合)
賃貸・土地活用による収益化 家賃収入が得られ、固定資産税や相続税の節税にもつながる可能性がある 初期費用や管理の手間が発生する。空室リスクや借入負担なども考慮が必要
自ら住む(移住・同居など) 思い出の場所を保て、管理責任も自分で担える 生活の拠点を移す負担や、新たな生活費負担が発生する可能性がある

まず、実家を空き家のまま所有し続けることには、「老朽化によるリスク」や「防犯面の不安」があります。長期間人が住まない住宅は劣化が進みやすく、窓や外装の劣化、湿気やカビの発生といった問題が生じます。また、特定空き家に指定されると行政から除却を求められることがあります。さらに、空き巣被害のリスクも高まるため、修理や補修費用がかかることが少なくありません 。

賃貸や土地活用による収益化には大きなメリットがあります。アパートや戸建て賃貸、賃貸併用住宅、トランクルーム、貸店舗などの活用手段がありますが、これらは家賃収入だけでなく、固定資産税や相続税などの税制メリットも期待できます 。ただし、初期投資や建築コスト、管理の手間、さらには空室リスクなども無視できないため、慎重な検討が必要です 。

最後に、「自ずから住む」選択肢は、実家に愛着を持ちながら管理責任も自分で負える点が魅力ですが、住環境の変化や生活費の増大など、新たな負担を伴う可能性があります。実家をそのまま残すかどうか、ライフスタイルとの兼ね合いも踏まえて判断されることをおすすめいたします。

売却のタイミングと税制上の注意点

介護施設への入所と実家売却のタイミングには、税制上の大きなポイントがあります。まず、親御さんが介護施設へ入られた後でも、所定の要件を満たせば「居住用財産を譲渡した場合の三千万円特別控除」が利用できる場合があります。具体的には、居住をやめてから三年以内の十二月三十一日までの売却であれば控除が適用されます。しかし四年以上経過すると、控除が受けられなくなる可能性があるため、くれぐれも売却時期にはご注意ください。 

また、親御さんが相続後に実家を売却される場合には、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の三千万円特別控除」が利用可能な制度があります。相続から三年を経過する年の十二月三十一日までの譲渡が要件であり、さらに制度自体の期限が令和九年(2027年)十二月三十一日までと定められている点にもご注意ください。控除額も相続人が三人以上の場合、一人あたり二千万円に制限される点も覚えておきましょう。 

売却に伴う税負担や諸費用にも目を向けましょう。例えば、譲渡所得課税(所得税・住民税)に加え、売買契約時には印紙税の負担もあります。契約金額によって軽減措置の対象となる印紙税率が異なるため、事前の費用確認が大切です。 

項目要点注意点
居住用三千万円控除 住まなくなってから3年以内に売ると適用可能 4年以上経過すると控除対象外になるおそれ
相続空き家の三千万円控除 相続後3年以内かつ2027年までの売却で対象 相続人3人以上なら控除額1人あたり2000万円に
売却時の諸費用 譲渡所得税・住民税、印紙税などが発生 契約額によって印紙税率が変わるため確認を

判断に迷う方への進め方

親御さまが介護施設に入所された後、実家の扱いについて判断に迷われる方は多くいらっしゃいます。そこでまずは、介護施設への入居時期や今後の生活費の見通しを整理し、資金ニーズを明らかにすることが重要です。これにより、売却の必要性や資金使途が明確になり、不安が軽減されます。

また、空き家の管理に関する不安や負担を軽減する方法として、管理代行サービスや公的機関による相談、専門家への相談をご紹介します。遠方にある実家や定期的な管理が難しい場合でも、管理代行の利用によって建物の劣化や近隣トラブルの防止につながります。その際、公的な相談窓口や専門家の支援を活用することも有効です。

さらに、売却を検討する際には、名義や相続関係の整理、登記の確認といった事前準備が欠かせません。例えば、市区町村の相談窓口や自治体の「空き家バンク」、さらには司法書士や税理士など専門家に相談することで、法律的・税務的な手続きを漏れなく進められます。

ステップ内容目的
1. 資金ニーズの整理介護費用・生活費の見通しを立てる売却の必要性やタイミングを判断する
2. 管理代行・相談活用管理代行業者や公的相談窓口の利用空き家管理の負担を軽減する
3. 名義や手続きの整理相続登記・名義変更・相談窓口などの確認売却をスムーズに進める準備

まずは資金に関する整理をし、それから空き家管理の不安を軽減する方法を検討し、最後に名義や相続関係の手続きを整える。このような順序で進めていただくことで、判断に迷いがある方も安心して手続きを進めていただけます。

まとめ

親御様が介護施設に入所された後の実家売却には、資金調達や維持管理の負担軽減などの利点があります。一方で、売却を急ぐことで各種優遇制度を活用できる反面、準備を怠れば思わぬ税負担が発生することもあります。売らずに維持や収益化を目指す場合も、管理や費用といった現実的な課題を見極めることが大切です。ご自身の状況や将来の見通しを冷静に整理し、一歩ずつ納得できる判断を重ねていきましょう。

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執筆者紹介

小川 浩司

代表取締役

キャリア30年

保有資格

行政書士

宅地建物取引士

賃貸不動産経営管理士公認 不動産コンサルティングマスター、他

相続対策、空き家対策、不動産終活についてのコンサルティングを得意としております。
行政書士として登録しており、権利義務や事実証明に関する書類の作成、相続手続きなどの専門性を必要とする案件にも対応しております。
ご相談の内容により、 弁護士、税理士、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、建築士、社会福祉士等の他の専門家と連携し、お手伝いさせていただきます。いつでもお気軽にご相談いただけますと幸いです。
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