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親の介護施設費用の資金調達に悩む方へ!不動産売却の流れや注意点も解説

実家売却

親の介護施設入所にあたり、実家の売却によって資金を確保しようと考える方が増えています。しかし、具体的な手続きや注意点については分かりづらく、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。本記事では、実家を売却して介護施設の資金を調達する際のメリットや手続き、注意点を分かりやすくご紹介します。安心して一歩を踏み出せるよう、この機会に正しい知識を身につけましょう。

実家を売却して資金調達するメリットと考慮すべきポイント

介護施設への入所を検討されている方にとって、実家を売却することは費用の確保と負担軽減に直結する有効な手段です。まず、売却によってまとまった資金をすぐに得られる点が大きなメリットです。介護施設の費用を実費で準備するのは難しいことも多く、実家を現金化することで安心感が得られます(例:毎月20万円の施設費用なら、年間で240万円を賄うことも可能です)。

次に、空き家を所有し続けると、固定資産税や都市計画税、管理費、修繕費などが毎年かかり続けます。これらの維持費は年間でおおよそ20万〜30万円、場合によってはそれ以上になることもあります。さらに、特定空き家に指定されると税負担が最大6倍になるリスクもあり、長期間放置することの負担は無視できません。

また、売却には税制上の優遇措置も活用できます。例えば、相続した実家を売却する場合、「被相続人居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」により、最大3,000万円の控除を受けられる可能性があります。この制度は、相続後に売却する場合に限られず、親が老人ホームに入居した後でも一定の要件を満たすことで適用されます。ただし、売却は相続開始から3年を経過する年の12月31日まで、かつ2027年12月31日までに行う必要がある点に注意が必要です。

ポイント内容
まとまった資金の確保介護施設への入所費用を実家売却で迅速に調達できます
維持費・管理負担の解消空き家にかかる税金や管理コストを削減できます
税制優遇制度の活用譲渡所得から最大3,000万円の特別控除を活用できる可能性があります(一定の要件あり)

売却を進める前に確認したい手続きと法的課題

実家を売却して介護施設への資金を確保するにあたり、まず確認すべき法的な手続きや課題について整理いたします。

■ 名義変更(相続登記)の確認。2024年4月1日から相続による不動産の名義変更(相続登記)が法律で義務化されています。相続が発生したことを知ってから原則3年以内に登記をしなければ、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。また、名義変更がされていないと、売却や融資といった手続きがそもそもできません。さらに、第三者による差し押さえや不意の所有権争いなどのトラブルが生じる恐れもあります。これらのリスクを回避するために、まずは相続登記の可否・状況を確認することが欠かせません。

■ 親が認知症の場合の売却の法的課題。親御さまが認知症を発症していると、不動産の売却手続きが本人だけでは進められないことがあります。そのような場合には、家庭裁判所に申し立てて成年後見人を選任する「法定後見制度」を活用する方法があります。この制度により、成年後見人が本人に代わって売却契約などの重要な手続きを行えるようになりますが、費用負担や報告義務などの制約もあります。

■ 成年後見制度と任意後見・家族信託の選択。法定後見制度では、親がすでに判断能力を失った後に後見人が裁判所で選ばれるのに対し、判断能力が十分な段階で将来に備えて指定できるのが「任意後見制度」です。そのほか、信頼できる家族が財産の管理や処分を担う「家族信託」をあらかじめ設定しておくことも可能です。それぞれに特徴があり、制度の選び方や使い分けには慎重な検討が必要です。

確認すべき内容 対応・制度 ポイント
名義変更(相続登記)の有無 相続登記の手続き 義務化されており、3年以内の申請が必要
親が認知症の場合の対応 成年後見制度の利用 家庭裁判所で後見人を選任し売却が可能に
将来に備えた制度活用 任意後見制度・家族信託 判断能力があるうちに意思を反映でき、柔軟な管理が可能

具体的に資金調達を円滑に進めるための手順

介護施設への入所を見据えて実家の売却による資金調達をスムーズに進めるには、以下のような段階的な手順が有効です。

手順内容の概要ポイント
① 親の判断能力があるうちに準備 委任状や家族信託、民事信託の整備 親の意思に基づく代理手続きの裏づけを明確にします
② 売却のタイミングと流れ 施設入所後に売却活動を開始し、準備と実行のスケジュール化 売却活動には数ヶ月から半年の期間がかかることが一般的です
③ 売却益と費用のバランス 想定される譲渡所得と介護施設費用との比較 税制上の特例を活用することで売却後の負担を軽減できます

まず、親御さまに十分な判断能力があるうちに、代理手続きを進めるための準備を整えておくことが重要です。たとえば、委任状を作成することにより、子どもが親の代わりに売却手続きを進められるよう法的な根拠を確保できます。また、民事信託(家族信託)も活用すれば、親が判断能力を失った後でも資産を柔軟に管理・売却できる体制をつくれます。

次に、介護施設に入所後に売却を進める場合の流れとタイミングについて整理しましょう。施設入所後すぐに売却活動をはじめることで、数ヶ月から半年程度で売却が完了することもあります。早めに動くほど、資金を介護施設費用に充てるタイミングの自由度が高まります。

最後に、売却益の想定と介護施設費用とのバランスを意識した計画づくりです。譲渡所得税は、売却益に応じて課税されますが、「居住用財産の3,000万円特別控除」などの制度を活用することで、節税が可能となります。このような税制上の制度を取り入れつつ、介護施設費用の見通しを立てることが資金計画の要となります。

以上のように、①判断能力があるうちに準備、②売却のタイミングと流れの把握、③売却益と費用のバランス調整、という三つのステップを踏むことで、実家の売却による資金調達を安心して進めることができます。

安心して売却を進めるために必要な相談先と支援体制

介護施設への入所費用を実家の売却でまかないたいとき、信頼できる専門家や支援体制に相談することが安心な進行の鍵になります。

下表のように、相談先ごとに相談内容や特徴をまとめて整理しておくと、ご家族との話し合いも円滑に進められます。

相談先主な相談内容特徴
税理士相続税の申告・納付、節税対策、不動産売却による納税資金の計画財産総額の0.5〜1%程度の報酬相場。初回無料の事務所もあります
司法書士相続登記(名義変更)、遺産分割協議書の作成、家族信託の手配手続き業務を迅速に進められる。不動産1件につき10万円前後が目安
弁護士相続人間の争いの調整、遺産分割や認知症対策の法的対応感情面のトラブルにも法的に対応。相談料は初回無料のところもあり

税理士は、売却によって得られた資金の納税へのあて方や節税の方法について計画的に相談できます。特例や控除などの知識は、資金確保に大いに役立ちますし、相続税申告の期限に間に合わせるためにも早めに相談することが望ましいです(遺産総額に対し報酬率は0.5~1%が相場、初回無料の事務所もあります)。

司法書士には、相続登記や遺産分割協議書の作成という重要な手続きを依頼できます。また、将来の認知症への備えとして家族信託を活用する際にも相談窓口になります。家族信託を検討する場合は、制度に詳しい司法書士を選ぶことが重要です。

もし、相続人間で意見の対立があったり、手続きが円滑に進まない可能性があれば、弁護士に相談するのも有効です。法的な調整を通じて紛争を未然に防ぐ支援が受けられます。

相談に臨む前には、親の財産状況、遺言書の有無、将来の希望や介護施設入所後の生活イメージなどを家族で整理し、議事録や共有ドキュメントにまとめておくと、専門家も適切なアドバイスがしやすくなります。早めの相談は、認知症への備えとしても不可欠です。

まとめ

親が介護施設に入所する際、実家の売却で資金を調達することは、経済的な不安を軽減し、安心して新たな生活を始める大きな助けとなります。しかし、名義や相続に関する手続き、認知症の可能性といった問題が絡むことも多く、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。専門家への相談や家族内の話し合いを早めに行うことで、売却手続きを円滑に進めるだけでなく、予期せぬ事態にも柔軟に対応できます。適切な計画と準備で、安心して新しい一歩を踏み出せる環境を整えましょう。

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執筆者紹介

小川 浩司

代表取締役

キャリア30年

保有資格

行政書士

宅地建物取引士

賃貸不動産経営管理士公認 不動産コンサルティングマスター、他

相続対策、空き家対策、不動産終活についてのコンサルティングを得意としております。
行政書士として登録しており、権利義務や事実証明に関する書類の作成、相続手続きなどの専門性を必要とする案件にも対応しております。
ご相談の内容により、 弁護士、税理士、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、建築士、社会福祉士等の他の専門家と連携し、お手伝いさせていただきます。いつでもお気軽にご相談いただけますと幸いです。
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