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70代の一人暮らし終活準備は何から始める?安心して暮らすための具体策をご紹介

終活一般

70代で一人暮らしをしていると、「終活」という言葉が気になり始める方も多いのではないでしょうか。しかし、終活は何から手を付ければ良いのか分からず、つい先送りにしてしまいがちです。この記事では、70代おひとり様が無理なく始められる終活準備のコツや、安心して暮らし続けるための手順を具体的に解説していきます。心と生活をすっきり整え、これからの人生をより豊かに過ごすヒントを一緒に見つけていきましょう。

まずは心と情報の整理から始める終活準備

70代おひとり様にとっての終活とは、「人生の終わりに向けた準備」を意味し、単に葬儀やお墓の準備に留まらず、終末医療や財産整理、エンディングノートの作成など広範な内容を含みます。心身ともに余裕のあるこの時期に、あせらず少しずつ進めることが重要です。内閣府の調査によれば、70代前半では約35%ほどがまだ終活を始めておらず、段階的な進め方が現実的です。

エンディングノートを書くことには、自分の希望や意向を整理し、家族や身近な人に伝えるうえで大きなメリットがあります。具体的に書き出すとよい情報には、まず連絡先リスト(家族・友人・かかりつけ医)、健康・保険・年金などの生活に関する情報、預貯金や保険契約の一覧、葬儀や供養、お墓の希望などが挙げられます。

身辺整理と情報整理は並行して進めることができます。まずは不要品を少しずつ片づけ、ルーティンとして整理の時間を確保しましょう。同時に、重要な書類(保険証券、年金通知書、通帳など)をまとめ、整理します。以下の表は、これらを進めるうえでの3つのステップをまとめた例です。

ステップ内容具体例
1エンディングノート作成連絡先・医療希望・財産情報を書き出す
2身辺整理不要品を区分し、処分・寄付・整理
3行政・保険関係情報の整理健康保険・年金・介護保険の内容を確認

これらを一度に終わらせる必要はありません。生活習慣の中に組み込むように少しずつ進めることで、心身への負担も抑えられます。

財産と行政手続きの見直し—スムーズな将来を支える準備

70代で一人暮らしをされている方にとって、自分の金融資産や公的手続きの状況を正確に把握して整理しておくことは、将来の安心につながります。

まず、銀行口座や貯金、年金受給状況、加入中の保険(生命保険、医療保険など)の一覧をつくりましょう。毎月の収支を把握するために、資産・負債・収入・支出の状況を整理する表を用意するのがおすすめです。たとえば、下記のようにまとめてみてください。

項目内容備考
預貯金銀行名・支店・口座種類・残高メモ欄に口座の目的など記入
保険保険会社・種類・保障内容・受取人受取手続きの要件も併記
年金年金の種類(基礎年金・厚生年金等)と受給額最新の書類や通知を確認

次に、不動産を所有されている場合は、「名義が誰になっているか」「評価額や固定資産税の状況はどうか」を確認しておきましょう。これらは将来的な売却、相続、贈与などを考える際、あるいは行政手続きや税務対応の基礎となります。所有を明確に記録し、必要書類を整理しておくことが大切です。

さらに、認知症などに備えた対策として、任意後見契約や財産管理の手配を検討しましょう。たとえば、公証役場による「移行型任意後見契約」(委任契約+任意後見契約)は、判断能力が衰えた際にも信頼できる代理人が必要な手続きを代行してくれる制度です。オンライン対応や出張対応を行う公証人の活用も可能で、ご自身の負担や手間を抑えて契約できます 。

これらの準備を進めることで、一人暮らしの高齢者の方でも将来の予測不可能な事態に備えやすくなり、安心して日々を過ごすことができます。

最期の意向と法的な備えを記録する方法

70代で一人暮らしをされている方にとって、葬儀や供養の希望を書き残すことは、ご自身の最期を尊重し、ご家族が迷わず対応できるようにするために大変重要です。エンディングノートには形式の制約がなく、「宗教・形式」「費用の目安」「通知してほしい人」など、ご自身の希望を自由に記録できます。たとえば、「家族葬で家族に連絡を」「戒名は不要」「花は○○色」など具体的に記すことで、遺された方が意思をくみ取りやすくなります。

エンディングノートと遺言書は役割が異なります。エンディングノートには価値ある思いや希望を自由に書けますが、法的効力はありません。一方、遺言書は法的効力を持ち、財産の分割や祭祀承継者、執行者の指定などが確実に効力を持たせられます。

目的形式法的効力
思いや希望の伝達(葬儀・供養など)自由形式(ノート・手書きOK)なし(家族へのお願い)
財産分割や正式な遺志の実行民法で定められた形式(自筆または公正証書)あり(法的拘束力あり)

必要に応じて法的文書を準備する流れとしては、まずエンディングノートで思いを整理し、「自宅を残したい」「○○さんに祭祀承継者になってほしい」など具体的に意向をまとめます。その上で、法的に確実に意思を実現したい場合には遺言書を作成しましょう。

遺言書には、①自筆証書遺言(自署で作成)や②公正証書遺言(公証役場で作成)の方式が主にあり、それぞれ手続きや注意点があります。法的効力を担保するため、正しい形式で記載し、日付・署名・押印・証人(公正証書の場合)を確実に備えてください。

最後に、信頼できる専門家への相談をおすすめします。例えば、弁護士や公証人に相談すると、形式や内容の不備を避けられます。また、公正証書遺言を作成した場合は、遺言検索システムに登録されることで、万一の場合にも所在がわかりやすくなります。これは全国どの公証役場からも照会可能です。

「活」のある人生を描く—生活の質を豊かにする終活のすすめ

まず、健康を保ち、毎日を自分らしく過ごすためには、生活習慣の見直しと、信頼できる「かかりつけ医」や「かかりつけ薬局」の確保が重要です。特に一人暮らしの70代の方は、持病や薬の管理を専門家と共有し、緊急時にも対応できる体制を整えておくことが安心につながります。さらに、入院時の持ち物や連絡先をまとめた「入院セット」を用意し、すぐに対応できる準備も進めましょう 。

また、地域の趣味やボランティア活動といった「生きがい」を見つけることは、心身の活力を維持し、孤立を防ぐ手段として有効です。自分の興味を書き出して行動に移すだけで、交流と自己肯定感の機会が広がります 。特に「生き活(いきかつ)」という考え方では、前向きな活動を通じて人生を豊かにする姿勢が推奨されています 。

さらに、今後の住まい方について整理することも大切です。現在の住まいを終の棲家として維持するか、高齢者向け施設への入居や住み替えを検討するか、それぞれにメリットとデメリットがあります。例えば、住み慣れた自宅には愛着や地域のつながりが維持できる利点がありますが、将来の身体状況を見越してバリアフリー改修などの検討も必要です 。

以下に、生活の質を豊かにするための三つの重要ポイントをまとめました。

項目内容目的
健康と医療体制の整備生活習慣の見直しと、かかりつけ医・薬局、入院セットの準備安心して暮らす基盤づくり
生きがいの発見と交流趣味や地域活動、ボランティアなどへの参加心身の活力維持・孤立予防
住まい方の整理と未来設計現在の住まい継続のメリット・将来に備えたリフォームや住み替え検討自分にふさわしい生活環境の確立

まとめ

70代で一人暮らしの方が終活を始める際は、まず心の整理や情報の整理を行うことが大切です。エンディングノートの記入や資産・手続きの見直し、さらに法的な備えなど、ひとつずつ着実に進めることで安心した毎日を迎えやすくなります。また、自分らしい生きがいを探し、暮らし方を見直すことで、これからの人生に新しい希望や楽しみが生まれます。難しく感じず、できることから無理なく始めてみましょう。

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執筆者紹介

小川 浩司

代表取締役

キャリア30年

保有資格

行政書士

宅地建物取引士

賃貸不動産経営管理士公認 不動産コンサルティングマスター、他

相続対策、空き家対策、不動産終活についてのコンサルティングを得意としております。
行政書士として登録しており、権利義務や事実証明に関する書類の作成、相続手続きなどの専門性を必要とする案件にも対応しております。
ご相談の内容により、 弁護士、税理士、司法書士、土地家屋調査士、建築士等の他の専門家と連携し、お手伝いさせていただきます。いつでもお気軽にご相談いただけますと幸いです。
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