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親の終の棲家は自宅と老人ホームどちらが良い?比較ポイントや家族で話し合うべき点も解説

終活一般

「親の終の棲家」として自宅で暮らし続けるか、それとも老人ホームなどへ住み替えるか、悩まれているご家族は多いのではないでしょうか。どちらを選ぶにしても、メリットや費用、準備すべきことは大きく異なります。本記事では、両者の違いを分かりやすく比較し、家族で話し合う際に押さえておきたい重要なポイントを紹介します。後悔のない選択へ向け、ぜひご一読ください。

親の終の棲家として「自宅に住み続ける」メリットと注意点

日本の50~60代の方々では、約66%が「終の棲家」は自宅でありたいと希望しています 。また、朝日新聞の調査でも「現在のまま自宅に住み続けたい」との回答が52%にのぼりました 。こうした統計から、住み慣れた環境への愛着や安心感が根強いことがうかがえます。

自宅を終の棲家とする場合、さまざまなリフォームやバリアフリー対策が必要になります。具体的には、浴室をユニットバスに改装し、引き戸の採用や手すりの設置、車椅子利用に対応した洗い場スペース(幅800mm以上・奥行き1200mm以上)の確保などが考えられます 。これらは高齢期の安全な生活や介助のしやすさを支える重要な対策です。

介護が必要になった場合には、在宅介護と家族の負担が大きな検討課題となります。調査では「自分が介護されるなら自宅」と望む方は約4割いる一方、家族が介護するなら「施設がいい」と考える方は約7割にのぼります 。50代では「親を自宅で介護したい」という意向が高い一方、現実的には夫婦ともに高齢となって体力的な負担を懸念する傾向があります。

以下、ポイントを表でまとめました。

項目 内容
希望割合 50~60代の約66%が自宅を終の棲家と希望
リフォームの具体例 浴室ユニットバスへ変更、手すり設置、段差解消、引き戸化
介護・家族負担 本人は在宅希望多いが、家族介護は負担と判断し施設希望に傾くことも

老人ホーム等への住み替えを検討する際の視点

高齢のご両親をお住まいにされる際、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などの住まいを選ぶポイントとして、施設の種類と特徴、費用面、そして介護・看取り対応などの比較視点が重要です。

まず、有料老人ホームは「介護付き」と「住宅型」に分かれ、サ高住とは契約方式やサービス内容などが異なります。

施設タイプ 主な特徴 入居一時金・月額費用の目安
介護付き有料老人ホーム 24時間介護士常駐、介護サービスが月額に含まれる 入居一時金:0~数千万円、月額:15~40万円
住宅型有料老人ホーム 見守りサービスあり、介護は別契約 入居一時金:0~数千万円、月額:12~30万円
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 賃貸借契約、安否確認・生活相談付き、介護は外部 入居一時金:約20万円(施設による)、月額:10~30万円程度

※費用は地域や施設によって幅があり、都心では高め、地方では比較的安価になる傾向があります。

LIFULL介護によると、サ高住では入居一時金はおおむね20万円、月額費用は約17万円で、有料老人ホーム(介護付き)は入居一時金が0~660万円、月額20~25万円ほどという相場です。 また、他の情報では、住宅型では入居一時金が0~数千万円、月額12~30万円、介護付きは0~数千万円、月額15~35万円となっています。

次に、費用面では「入居一時金」と「月額利用料」の両面から比較検討する必要があります。全国の相場では、入居一時金は平均約94.7万円、中央値約10万円、月額平均は約15.2万円、中央値は約13.5万円というデータがあります。 都市部では、東京都で入居一時金が平均415.7万円、月額24.9万円と高めですが、大阪府では64.8万円、月額14.7万円程度で済むケースもあります。

最後に、老人ホーム等での「終の棲家」としての条件には、看取り対応の有無も重要です。特別養護老人ホーム(特養)などでは施設内でそのまま看取られる割合が増えており、退所者の約3割が施設内で亡くなるという厚生労働省資料もあります。 こうしたケアの継続性を考慮すると、「看取り対応が可能か」を契約前に確認することが安心につながります。

まとめると、住み替えを検討する際は以下の3点を重点的に確認されることをおすすめします。

  • 施設の種類ごとのサービス内容と契約形態(介護付き/住宅型/サ高住)
  • 入居一時金と月額費用の相場(地域や施設タイプで変動)
  • 看取りなど終末期のケア対応の有無や契約内容

終の棲家としての選択を考える際の家族内での確認事項

終の棲家について家族で話し合う際には、本人の希望と家族の考え方をすり合わせることが重要です。まず、「どんな暮らしを望むのか」「どこで安心して過ごしたいのか」を本人の意向として言語化し、家族間でも共通理解を持つことが第一歩になります。これは、具体的な選択(在宅継続か、施設利用か)に進む前の基盤となります。

次に、資金計画の確認です。自宅で暮らし続ける場合、リフォームやバリアフリー化にかかる費用、介護費用などを見通し、一方で施設を利用する場合は入居一時金や月額費用に加え、不動産担保ローンなどの資金確保策も視野に入れる必要があります。不動産担保ローンは、入居費用が高額になるケースに対応する手段として有効ですが、返済計画も慎重に検討する必要があります。

さらに、制度や支援、相談先についても事前に整理しておきたいです。例えば、市区町村や居住支援法人では、高齢者の住まいに関する相談窓口や助成制度などの案内を受けられます。

確認事項内容目的
本人の希望の明確化自宅か施設か、どのような暮らしを望むか意思尊重・方向性の共通理解
資金計画の整理リフォーム費用・介護費用・入居費用・資金調達方法現実的な継続・移行の判断基準
制度・相談先の把握居住支援窓口や助成制度、専門相談機関公的支援の活用・情報収集

自宅・施設どちらを選ぶにしても考えておきたい最後の備え

親御さまの最期の住まいが「自宅」であれ「施設」であれ、安心して見送るためには事前の備えが重要です。まず、エンディングノートを活用し、介護・医療の希望や財産、葬儀方法、日常の身の回りの情報などを整理して共有することは、ご家族にとって大きな安心材料になります。自由に書けるこのノートは、気持ちや意思を柔らかく伝える手段としても優れていますし、家族間の話し合いや親子の対話のきっかけにもなります。

さらに、費用負担への備えとしては長期的な資金計画も欠かせません。老後の住まいにかかる費用として、住宅改修費・医療・介護費用・固定資産税などを含め、多方面から予算を検討することが望ましいです。特に、2025年の調査では老後に必要と考えられる金融資産の平均額は約2648万円とされており、無理のない金額設定が求められます。

そして何より、「備えは早いほど安心」です。老後や認知症などを見据え、元気なうちから情報の整理や話し合いをスタートすることで、ご家族全員が納得しやすくなり、将来の意思決定がスムーズになります。特に終の棲家の選択には時間に余裕を持ち、複数の選択肢を比較したうえで決定するスケジュールを組むことが大切です。

備えの内容具体例目的
エンディングノート作成 介護希望、医療方針、葬儀の意向、財産情報などを記載 本人の意思を整理し、家族で共有
資金計画の見通し 住宅改修、毎月の介護費、固定資産税等の算出 長期的な生活費・住まい費用を把握
早期の検討と家族共有 数年前から話し合いや専門相談をスタート 納得ある選択と精神的な余裕を確保

エンディングノートをもとに、介護希望や財産・医療に関する意思を整理すれば、ご家族が突然の判断を迫られる状況を減らすことができます。また、老後の住まいに関わる支出を一覧化し、10年後・20年後も見据えた資金計画を立てることで、予想外の支出にも備えやすくなります。そして、早めに話し合いを開始し、ご家族間で意思や価値観を共有しておくことは、最期まで安心できる環境づくりに欠かせません。

まとめ

親の終の棲家について考える際、自宅に住み続ける選択と老人ホームなどへの住み替えには、それぞれ異なるメリットや注意点が存在します。大切なのは、本人の希望と家族の意見をすり合わせながら、費用や介護体制、将来の安心まで具体的に想定し、早めに準備を始めることです。情報をしっかり集め、家族内で冷静に話し合うことで、誰もが納得できる最適な住まいの選択につながります。自分たちに合った環境で、安心して老後を迎える準備を一歩ずつ進めていきましょう。

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執筆者紹介

小川 浩司

代表取締役

キャリア30年

保有資格

行政書士

宅地建物取引士

賃貸不動産経営管理士公認 不動産コンサルティングマスター、他

相続対策、空き家対策、不動産終活についてのコンサルティングを得意としております。
行政書士として登録しており、権利義務や事実証明に関する書類の作成、相続手続きなどの専門性を必要とする案件にも対応しております。
ご相談の内容により、 弁護士、税理士、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、建築士、社会福祉士等の他の専門家と連携し、お手伝いさせていただきます。いつでもお気軽にご相談いただけますと幸いです。
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